東京の木造住宅の耐震改修に補助金はいくら出る?10区市の上限額と締切
2026-09-27 各区市の公式ページ(当サイトの巡回で変更なしを確認)・パンフレット・要綱の記載をもとに執筆
一般の世帯の耐震改修工事への補助は、上限80万円(調布市)から250万円(中野区)まで。区市によって3倍以上の差があります。補助率も2分の1から10分の9まで分かれます。工事費が同じ200万円でも、受け取れる額は80万〜180万円と変わります。
窓や給湯器と違い、木造住宅の耐震改修の補助金は区市町村が窓口です。この記事では、当サイトが公式ページとパンフレット・要綱を読んで登録した都内10区市の制度を並べました。神奈川の制度は神奈川の耐震改修の補助金にまとめています。
10区市の上限額と補助率
一般の世帯が耐震改修工事をする場合の数字です(令和8年度)。高齢者や障害のある人がいる世帯などは、別に上乗せがあります。
| 区市 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 中野区 | 1/2 | 250万円 |
| 板橋区 | 9/10(1981年6月以降築は2/3) | 220万円(同160万円) |
| 大田区 | 2/3 | 200万円 |
| 府中市 | 1/2 | 170万円 |
| 世田谷区 | 未確認 | 170万円 |
| 江東区 | 1/2 | 150万円 |
| 江戸川区 | 1/2 | 150万円 |
| 練馬区 | 3/4 | 130万円 |
| 町田市 | 1/2 | 120万円 |
| 調布市 | 1/2 | 80万円 |
表の補足です。
- 板橋区の9/10・220万円は1981年5月以前築の家。1981年6月〜2000年5月築は2/3・160万円
- 練馬区は設計と工事監理まで含めて申し込む「総合支援」なら上限170万円
- 町田市は設計と工事を一体で進める場合の数字。分けると工事は23/100・上限50万円に下がる
- 世田谷区はパンフレットに上限額だけが載っており、補助率は確認できていない
工事費200万円なら80万〜180万円
補助額は「工事費×補助率」と上限額の低いほうで決まります。一般世帯が1981年5月以前築の家で200万円の工事をした場合の計算です。
- 板橋区:180万円(9/10)
- 大田区:約133万円(2/3)
- 練馬区:130万円(3/4・上限どおり)
- 中野区・府中市・江東区・江戸川区・町田市:100万円(1/2)
- 調布市:80万円(1/2だと100万円だが上限で止まる)
上限額が大きい中野区でも、補助率が1/2なので200万円の工事では100万円です。比べるときは上限額と補助率の両方を見てください。大田区・中野区・江戸川区には、面積による上限もあります。「延べ面積×1平方メートルあたり39,900円」が工事費より低ければ、その額で計算します。
2000年5月以前の木造なら対象の可能性
10区市とも、1981年5月以前の旧耐震の木造住宅が対象です。1981年6月〜2000年5月に建てた木造住宅も対象に含めています。後者は在来軸組工法の平屋・2階建てに限る区市が多く、ツーバイフォーが外れる場合があります。町田市は2026年4月から、すべての助成をこの範囲に広げました。
工事の補助を受ける条件として多くの区市が求めるのは、耐震診断で上部構造評点が1.0未満と出ることです。練馬区には簡易補強工事の助成(2/3・上限50万円)もあります。1981年5月以前築で評点0.7相当未満の戸建てを、0.7相当以上にする工事が対象です。家全体を1.0まで上げる工事が難しい場合の選択肢です。
耐震改修工事の補助に所得制限を設けている区市は、10区市の中にありませんでした。所得の条件があるのは町田市の耐震シェルターの高齢者世帯区分だけです。住民税非課税の世帯は、江戸川区で2/3・上限200万円、練馬区で上限150万円に上がります。
年末に締め切る区市が多い
令和8年度の工事の申請締切は、公表されている区市で次のとおりです。
- 板橋区:2026年12月4日
- 町田市:2026年12月11日(耐震アドバイザーの派遣依頼は11月30日まで)
- 江戸川区:2026年12月25日
- 世田谷区:2026年12月28日(申請状況により早めに締め切る場合あり)
- 調布市:12月の最終開庁日
- 大田区:2027年1月15日
府中市・中野区・練馬区・江東区は、公式ページに締切日の記載がありません。府中市は「各助成事業の予算には限りがありますので、必ず事前に市へお問合せください」と案内しています。多くの区市は、診断・設計・工事・完了報告を同じ年度のうちに終えることを原則にしています。秋から動き出すと、診断と設計だけで締切に間に合わないことがあります。
工事の契約は交付決定の後
申請の順番はどの区市もほぼ同じです。契約前の申請を明記している区市では、先に工事の契約をすると補助は受けられません。
- 区市の窓口に事前相談する(無料の診断士やアドバイザーの派遣がある区市が多い)
- 耐震診断を受け、評点1.0未満と判定される
- 補強の設計をつくる
- 工事の補助を申請し、交付決定の通知を受け取る
- 通知が届いてから工事を契約・着工する
- 完了報告を出し、補助金を受け取る
診断士や施工業者は、区市の登録名簿に載っている事業者に限られることが多い点も確認してください。府中市は、市内に事業所があり講習を受けた施工業者に限っています。書類の流れは申請の流れと必要書類にまとめました。
国や都の補助との重ね取り
練馬区と江戸川区は、耐震の補助の重ね取りをはっきり制限しています。練馬区の要綱は「対象費用について他の耐震化関連補助金等の交付を受ける事業ではないこと」を条件にしています。江戸川区は、過去に国や自治体の助成で耐震改修をした住宅を対象外にしています。
ほかの区市は、公式資料に併用の記載がありませんでした。壁を開けるついでに窓の断熱もする場合は、窓は国の先進的窓リノベ2026事業というように費用を分ける考え方があります。可否は各窓口の判断になるため、見積もりの段階で聞いてください。考え方の基本は補助金の「併用」入門にあります。
賃貸に住んでいる場合
耐震改修の補助を申請できるのは、原則として建物の所有者です(板橋区は所有者の委任を受けた3親等以内の親族も可)。中野区は賃貸住宅も対象ですが、申請できるのは所有者だけで、入居者は申請できません。町田市は賃貸用の住宅を対象外にしています(耐震シェルターを除く)。住んでいる区市の制度は東京都の補助金一覧から確認できます。