東京都の窓の補助金は国と併用できる?同じ窓で両方もらう計算

2026-09-26 東京都の実施要綱・交付要綱PDF、クール・ネット東京と先進的窓リノベ2026事業の公式ページを確認のうえ執筆

併用できます。同じ内窓1か所に、国と東京都の両方から補助が出ます。ただし2つの補助の合計は、消費税を除いた工事費までです。住んでいる区の補助まで重ねられるかは、区によって答えが逆になります。

リフォーム会社の解説では「1つの窓に両方は出ない」という説明と「同じ窓でも出る」という説明が混在しています。この記事は都と国の要綱・公式ページの原文を読み、次の3点を整理しました。

  • 同じ窓で国と都を重ねられる根拠
  • 合計の上限と、戸建て内窓7か所の計算例
  • 区の補助を3つ目に重ねられる区と重ねられない区

同じ窓で国と都の両方が出る根拠

根拠は国と都の両方の公式文書にあります。どちらも「相手の補助を受けること」を前提に書かれています。

国の先進的窓リノベ2026事業の公式ページ(対象要件)には、次の一文があります。

「同一の窓(ガラス)・ドアに対して、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできません。なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。」

国が禁じているのは「国の制度どうし」の重複です。東京都の助成は都が東京都環境公社に出えんした基金から支払う仕組みで(実施要綱第5)、国の側から見ると「地方公共団体の補助制度」にあたります。

都の既存住宅における省エネ改修促進事業の実施要綱は、第4の4で国の補助を受ける場合の計算方法を定めています。国の補助を受けても交付は止まらず、合計額が経費を超えないよう調整する書き方です。

決め手は都の案内チラシ(令和8年度・窓ドア版)です。窓の断熱工事172万円の例で「都補助79万円+国補助60万円」、自己負担33万円という試算を都自身が載せています。1つの工事で国と都を両方受ける前提の試算です。

「窓ごとに使い分け」は別の話

「リビングは国、寝室は都」のような使い分けが必要なのは、国の制度どうしです。先進的窓リノベ2026とみらいエコ住宅2026は、1つの窓で両方の補助を受けられません(窓リノベの公式ページに明記)。都の助成とは関係のないルールです。

合計の上限は税抜の工事費

国と都の合計が「助成対象経費」を超える場合、都の助成が減ります。実施要綱第4の3は、この経費から消費税と地方消費税を除くと定めています。

「国又は他の地方公共団体による補助金の交付を受ける場合にあっては、助成金の交付額と当該補助金の額の合計額が助成対象経費を超えない範囲において交付するものとする。」(東京都 既存住宅における省エネ改修促進事業実施要綱 第4の4)

つまり上限の比較は税込ではなく税抜の金額で行います。消費税分は、補助が満額出ても自己負担として残ります。減らされるのは都の側で、国の窓リノベの額は定額のままです。

戸建て内窓7か所の計算例

戸建て住宅に内窓を7か所つける例で計算しました。窓はどれも性能区分が最上位(国のP(SS)・都のP、熱貫流率1.1以下)という条件です。金額は2026年9月26日に両事業の公式ページで確認した単価です。

窓の大きさ国(戸建て)都
大 2.8〜4.0㎡89,000円106,000円
中 1.6〜2.8㎡58,000円72,000円
小 0.2〜1.6㎡36,000円46,000円

大2か所・中3か所・小2か所の場合、国が42万4,000円、都が52万円になります。合計は94万4,000円です。

  • 税抜工事費120万円:国42万4,000円と都52万円が満額。税抜で残る負担は25万6,000円
  • 税抜工事費94万4,000円:合計がちょうど経費と同じになり、両方とも満額
  • 税抜工事費80万円:都は80万円から国の42万4,000円を引いた37万6,000円に減る

3つのケースとも、消費税分は補助の外で自己負担です。国と都の単価表を並べると、内窓は都の単価のほうが高く設定されています。工事費が安い見積もりほど、都の減額が起きやすくなります。

都だけが出る性能区分がある

国の窓リノベの内窓は、性能区分P(SS)とSの2段階だけが対象です。都はその下のA・B(熱貫流率2.3以下まで)にも単価を設けています。A・Bの窓は国の対象にならず、都の助成だけになります。

ただし都の対象は、国の窓リノベ・みらいエコ住宅などの対象製品として登録された窓に限られます(実施要綱第3の4)。登録外の製品は、都の助成も受けられません。

5万円の最低額は減額前で数える

都も国も、1回の申請で窓・ドアの補助額が5万円以上であることが条件です。都の交付要綱第4条は、この5万円を「国の補助額を差し引く前」の申請額で判定すると定めています。国との調整で都の額が5万円を下回っても、対象から外れることはありません。

区の補助を3つ目に重ねる条件

区の補助を足せるかは、都と区の両方のルールで決まります。

都の交付要綱は、区市町村の助成のうち「原資に都費を含むもの」を受けないことを交付の条件にしています(交付要綱第16条第5号)。区の補助の財源に都のお金が入っているかは、区の担当課に聞かないと分かりません。

区の側のルールは正反対に分かれています。当サイトで確認した区市の例は次のとおりです(確認日はいずれも2026年9月24日〜25日)。

  • 国・都と併用できると明記:杉並区・葛飾区・世田谷区・品川区(品川区は令和8年度から併用可に変更)
  • 併用できない:目黒区の住宅リフォーム資金助成。国・都のリフォーム助成を申請していると区の助成は申請できない
  • 工事が重なると国と併用不可:八王子市の居住環境整備補助金。見積書で申請の範囲を分ける必要がある

目黒区は2026年9月26日に区の公式ページを読み直し、「国、東京都のリフォーム工事にかかる助成との併用はできません」の記載を確認しました。国・都を受けたあとで区の助成が判明すると、返還を求められる場合があると書かれています。

併用できる区でも、合計が経費を超えた分は区の補助が減るのが一般的です。区ごとの一覧は東京都の補助金一覧から確認できます。

2つの期限と申し込みの順番

国と都では申し込みの主体も時期も違います。順番を間違えると、都の助成が受けられなくなります。

  1. 都の事前申込は契約の前:都の窓・ドアは、事前申込が受け付けられてから契約・工事に入るのが条件です。2026年4月1日〜6月30日に契約した分だけは例外で、2027年3月31日までに事前申込すればよいとされています。
  2. 国の窓リノベは事業者が申請:窓リノベは登録事業者が申請し、住んでいる人は申請できません。予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも2026年12月31日までです。予算上限に達するとその時点で締め切られます。
  3. 都の交付申請は1年以内:工事が終わったら、都に交付申請兼実績報告を出します。事前申込から1年以内に出さないと、事前申込は自動的に無効になります。

窓リノベの予算消化率は、2026年9月26日午前0時時点で25%でした(公式ページ)。都は事業ごとの予算残額を公表していません。当サイトでは確認できていないため、都の締切の見通しは未確認です。

契約の前にすることは申請の流れと必要書類、国の制度そのものは先進的窓リノベ2026とは?で詳しく扱っています。併用の考え方の基本は補助金の「併用」入門にまとめました。

見積もりの段階で業者に確認すること

国と都を両方使うなら、見積もりの時点で次の3つを業者に確認します。

  • 窓リノベの登録事業者か(国の申請は登録事業者しかできない)
  • 使う窓が国の対象製品として登録されているか、性能区分は何か
  • 都の事前申込を契約前に済ませる段取りになっているか

業者の選び方はリフォーム業者の選び方で整理しています。

本記事は2026-09-26時点で、東京都の実施要綱(令和8年4月17日版)・交付要綱(令和8年5月22日版)・案内チラシ、クール・ネット東京と先進的窓リノベ2026事業の公式ページを確認して書いています。単価・期限・併用の扱いは変わることがあり、個別の工事が対象になるかは審査で決まります。申請の前に必ず各制度の公式サイトと窓口でご確認ください。当サイトは申請の代行は行いません。