「窓だけ」断熱リフォームで使える補助金・使えない補助金|神奈川の見分け方
2026-09-04 公式サイト・交付要綱確認のうえ執筆
「壁や床まで工事するのは大変。とりあえず窓(内窓)だけ断熱したい」——断熱リフォームを検討する人のいちばん多い入り口がここです。実際、内窓の設置は1部屋なら数時間で終わり、費用も工事全体としては小さく済みます。
ところが補助金の側は、「窓だけでもOKな制度」と「窓だけではNGの制度」がはっきり分かれています。この違いを知らないまま業者に「補助金使えますよね?」と聞くと、話が噛み合いません。この記事では、その見分け方を神奈川県内の実際の制度で整理します。
結論:窓だけでOKかどうかは「必須工事」の欄で決まる
補助金の募集要領や交付要綱には、たいてい「必須とする工事」にあたる項目があります。ここに「窓・開口部」と書いてあれば窓だけで申請でき、「外壁・屋根・床・基礎の断熱材」と書いてあれば窓だけでは申請できません。
制度の名前が似ていても中身は違います。同じ「既存住宅断熱改修補助」という名前でも、窓だけで通る市と通らない市があります。
窓だけでOKな制度
国:先進的窓リノベ2026事業
いちばん有名で、いちばん素直なのがこれです。先進的窓リノベ2026事業は窓と玄関ドアの断熱改修そのものが対象なので、内窓の設置だけでも問題なく使えます。上限は1戸あたり100万円、合計5万円分以上の工事から申請できます。
金額は「工事費の何割」ではなく、窓の性能・サイズごとの定額を積み上げる方式です。2026年9月4日午前0時時点の予算消化率は21%で、まだ余裕があります(当サイトが公式サイトで実測)。ただし予算上限に達した時点で受付は終了します。
神奈川県:既存住宅省エネ改修事業費補助金
県の制度も窓(玄関ドア等を含む)の改修が必須で、壁・天井・床の断熱は任意の追加という構造です。つまり窓だけで申請できます。補助率は対象経費の3分の1、上限15万円/戸。
ただしこの制度は枠の小ささに気をつけてください。2026年5月に始まった当初受付は予算6,000万円に達して早期締切となり、2026年9月7日(月)午前8時30分から追加募集が再開されました(締切は9月30日)。受付可能件数は25件程度の先着順で、超えた分は受け付けられない可能性があると県が告知しています。また申請は本人が電子申請で行う必要があり、業者の代行はできません。窓リノベのように業者任せにはできない点が大きく違います。
市:国・県への「上乗せ」型の奨励金
神奈川の市には、国や県の補助を受けた人に残額分を上乗せするタイプの制度があります。これらは窓の改修そのものが対象なので、窓だけでも使えます。
- 厚木市省エネ住宅導入促進奨励金の断熱窓改修:国・県の補助額を引いた残りの2分の1(市外業者の施工なら3分の1)、上限20万円。対象は窓のリフォームのみでドアは対象外という、逆に窓に特化した制度です。
- 平塚市既存住宅断熱リフォーム補助金:窓交換・内窓設置・ガラス交換も対象。国または県の断熱改修補助の交付決定を受けている(または申請予定である)ことが要件で、その残額の3分の1・上限8万円を市が補います。
- 伊勢原市の省エネ住宅導入促進補助金:居室の断熱窓改修が対象で、国・県の補助を控除した額と10万円の低いほう。
この3つに共通するのは、「国か県の補助を先に取ってから」が前提という点です。市の分だけを単独でもらうことはできません。順番を間違えないよう、詳しくは補助金の「併用」入門を読んでみてください。
窓だけではNGな制度
横浜市:既存住宅断熱改修補助制度
最大150万円という金額の大きさで目を引く横浜市の制度ですが、内窓や窓の交換だけでは対象になりません。交付要綱(令和8年7月1日改定版・2026年9月4日に当サイトで全文確認)の「必須とする断熱改修工事」には、次のように躯体(くたい=建物の骨格部分)の断熱材の量が書かれています。
- 1棟まるごと改修する型:外壁3.5立方メートル以上/屋根・天井4.0立方メートル以上/床1.5立方メートル以上/基礎0.45立方メートル以上のいずれか
- 部分的に改修する型:1つ以上の居室と1つ以上の浴室脱衣室を含む連続した区画を対象にしたうえで、外壁1.7/屋根・天井2.0/床0.7/基礎0.2立方メートル以上のいずれか
どちらにも窓は登場しません。窓の工事をしてはいけないという意味ではなく、窓の工事だけでは「必須工事をやった」ことにならないという意味です。金額が大きい制度ほど、求められる工事も大きくなると考えておくと外しません。
なお同じ横浜市の制度でも、対象は戸建てのみ(共同住宅は除く)、改修前の住宅の断熱性能が等級5以下であること、令和8年3月1日以前に建築工事が完了していることなどの条件が要綱で定められています。
海老名市:開口部「2カ所以上」が条件
海老名市住宅断熱改修促進事業補助金は必須工事が開口部の断熱化なので窓リフォームで使えますが、外気に接する開閉可能な開口部を2カ所以上断熱化することが条件です。「リビングの窓1カ所だけ」では要件を満たしません。募集は25件で、件数に達すると期間内でも終了します。
迷ったときの進め方
- まず国の窓リノベを軸に考える。窓だけの工事で確実に使え、金額も大きく、登録事業者が申請を代行してくれます。
- 次に、住んでいる市に上乗せ制度があるか調べる。厚木市・平塚市・伊勢原市のような上乗せ型なら、国の補助に重ねてもう少し戻ってきます。
- 県の制度は「本人申請」「先着」という別ルールと割り切る。9月7日に再開した追加募集は25件程度の枠しかありません。同じ日に受付を再開した県の太陽光・蓄電池補助金とZEH補助金は当日中に埋まって締め切られました(2026-09-07確認)。狙うなら電子申請の準備を先に済ませてください。
- 壁や床の工事も検討できるなら、大きい制度も選択肢に入る。横浜市のように躯体断熱が必須の制度は、金額も桁が変わります。
また、補助金とは別に、窓の断熱改修をすると翌年度の固定資産税が減額される仕組みもあります。こちらは工事の翌年に自分で申告するもので、補助金とは手続きが別です。省エネ改修の固定資産税減額もあわせて確認してみてください。
業者に聞くときの一言
見積もりを取るときは、「補助金使えますか?」ではなく「先進的窓リノベ2026の登録事業者ですか? うちの市の上乗せ補助も一緒に出せますか?」と聞くのがおすすめです。制度名を出すと、対応できる業者かどうかがすぐに分かります。業者選びで迷う場合はリフォーム業者の選び方もどうぞ。