店舗併用住宅や二世帯住宅は住宅補助金の対象になる?
2026-09-12 公式ページ・交付要綱確認
1階が店舗で2階が住まいの家、事務所と玄関が一緒の家、親世帯と子世帯が暮らす二世帯住宅。こうした家に住む人が窓の断熱や太陽光の補助金を調べると、「一戸建て住宅」という言葉の前で手が止まります。この記事でわかることは3点です。
- 併用住宅を対象と明記している神奈川県内の制度の実例
- 対象かどうかの分かれ目になる「延べ床の2分の1」の条件
- 二世帯住宅で名義人が住んでいない場合の考え方
併用住宅を対象と書く制度の実例
店舗や事務所と一緒の住宅は、多くの制度で対象です。神奈川県内では、交付要綱や公式ページにその旨をはっきり書いている市があります。
- 平塚市の既存住宅断熱リフォーム補助金は、対象を「自ら居住又は居住を予定している既存住宅(店舗等の併用住宅含む)」と規定(受付中)
- 綾瀬市の個人住宅用再エネ・省エネ設備等導入費補助金は、対象事業を「市内において自らが居住する住宅(店舗、事務所等との併用住宅を含む)」への設置と規定(受付中)
- 座間市のスマートハウス関連設備設置補助金は、交付要綱第3条で「店舗等併用住宅を含む」と明記(受付中)
- 川崎市の木造住宅耐震改修助成制度は、対象建築物を一戸建て住宅・共同住宅・長屋(店舗等との併用を含む)と案内(受付中)
「一戸建て住宅が対象」とだけ書かれたページを見て諦める前に、交付要綱の補助対象者・補助対象住宅の条を読む価値があります。本文では触れず、要綱のかっこ書きで併用を認めている制度があります。
分かれ目は延べ床の2分の1
併用住宅に条件を付ける場合、基準になるのは住宅部分の床面積です。神奈川県内では次の2つが具体的な数字を示しています。
- 秦野市のゼロカーボンな暮らし創出補助金:対象は市内の一戸建て専用住宅または併用住宅で、延べ床の2分の1以上が居住用であること(令和8年度は予算上限到達で受付終了)
- 座間市の耐震診断・耐震改修工事補助制度:住宅以外の用途を兼ねる場合は延べ床の2分の1以上が住宅であること(受付中)
店舗の面積が住まいより広い家は、この条件で外れます。自分の家がどちらか分からないときは、確認申請書の面積表か固定資産税の課税明細で、住宅部分と店舗部分の面積を確かめてください。
補助が出るのは住宅部分だけ
併用住宅が対象でも、補助の対象になる工事は住まいの部分に限られます。三浦市の住宅リフォーム助成事業は、対象住宅を「市内に所有し自ら居住する戸建て住宅・併用住宅(住宅部分の工事に限る)・マンション(個人専有部分に限る)」と規定しています。海老名市の住宅断熱改修促進事業補助金も、店舗併用住宅について住宅部分を対象としています。
窓の断熱改修で考えると、店舗のショーウインドーを内窓にする工事は対象外で、2階の寝室や居間の窓が対象になります。設備の補助でも同じ考え方で、綾瀬市の制度は併用住宅の場合に「家庭用として使用すること」を対象者の要件に挙げています。店舗の冷蔵ケースや事務所の空調をまかなう設備は、家庭用とみなされません。
見積書を作る段階で、住宅部分と店舗部分の工事費を分けて書いてもらうと申請が通りやすくなります。一式でまとめた見積書だと、市が住宅部分の金額を判断できず、書類の出し直しになります。
二世帯住宅の扱いは制度ごと
二世帯住宅という言葉を名指しで対象に挙げている制度は少数です。当サイトが掲載する51制度のうち、明記しているのは綾瀬市の木造住宅耐震化補助事業だけでした。同市は対象物件を「個人が所有かつ居住、もしくは所有者の2親等内の親族が居住する専用住宅・2世帯住宅・兼用住宅」と規定しています(受付中)。
この2親等内の規定が、二世帯住宅で迷うもう1つの論点に答えています。名義は自分だが住んでいるのは親だけ、という家です。多くの制度は補助対象者を「自ら居住する住宅に設置する個人」と定めるため、名義人が住んでいない家は要件から外れます。綾瀬市の耐震化補助のように、所有者の親族が住んでいれば認める制度は例外に当たります。
二世帯の名義が親子の共有になっている場合、申請者を誰にするかも確認が必要です。制度ごとに、所有者全員の同意書を求めるものと、居住する所有者1人の申請で足りるものがあります。誰が申請するかの整理もあわせてご覧ください。
住宅の建て方で外れる制度もある
併用の可否とは別に、建物の形で対象が絞られることがあります。川崎市の耐震シェルター・防災ベッド設置助成制度は、一戸建て(店舗等併用を含む)のみが対象で、長屋・共同住宅は対象外です。同じ川崎市でも木造住宅耐震改修助成制度は共同住宅・長屋を含むため、制度ごとに条件を読む必要があります。川崎市の耐震改修はツーバイフォー工法・パネル工法が対象外という工法の条件もあります。
賃貸に住んでいる場合や分譲マンションの場合は、立場ごとに可否が変わります。詳しくは賃貸・マンションでも使えるかで制度別に整理しています。
申請前に確認する3点
- 交付要綱の補助対象住宅の条を読む:公式ページの本文に併用住宅の記載がなくても、要綱のかっこ書きで認めている例があります。
- 住宅部分の面積を確かめる:延べ床の2分の1以上が住まいかどうかで結論が変わる制度があります。
- 見積書を住宅部分と事業用部分で分ける:業者に工事箇所ごとの内訳を依頼します。
判断に迷う間取りの場合は、市の担当課に図面を見せて確認するのが確実です。補助金の申請に慣れた業者の探し方はリフォーム業者の選び方にまとめています。